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衛生士さん
2008年08月31日 (日) 13:35 | 編集
8月後半のこの異常気象、、、関東東海は毎日土砂降りの危険にさらされています。

特に、東海地方は大変なことに。



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これって、北京五輪で中国が雨を降らさぬようにミサイル打ち込んだからではあるまいな?。



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さて、

おいらも歯科医師の端くれなので、たまには歯科を取り巻くことの話題にも触れてみようかと思います。


で、本日は歯科衛生士さんのお話です。


歯科衛生士という職業、ある意味で非常に特殊で不思議な職業です。


一医療関係者として客観的に観ると、やりがいのある職業だと思いますし、立派な国家資格であります。



歯科衛生士を養成する専門学校や短大は、昨今はどこも定員割れでして、入学するのは非常に簡単です。


国家試験も比較的簡単で、まぁ普通に勉強すれば誰でも取得出来ます。



資格取得後は就職ということになりますが、

これが完全なる売り手市場です。

要するに「引く手あまた」です。

就職の際には「よりどりみどり」。

しかも初任給は最低でも20万円。

首都圏では22万~25万というところも珍しくありません。

厳しさを極める困窮の歯科業界で、この給与は異常です。

歯科医師の新卒など、12万円くらいが普通ですから、それと比べると圧倒的な高給です。



実は、この新卒時からの高給は、現在の健康保険制度に寄るところが大きいのです。

歯科衛生士を雇っている歯科医院は診療報酬が増える仕組みになっているからです。

もし、この制度が改訂されて歯科衛生士を雇っても診療報酬が大して増えないというということになったら、、、



そのような理由から、初任給が良い割りには昇給率はそれほどでもありません。

配偶者に安定した収入がない場合、元々資産を多く持っているのでなければ「一生の仕事」とするには難しい面があります。

中には超高級取りのカリスマ衛生士というような方もおられますが、それはもう本当に一握りも一握り、そんな存在です。



上記のような背景を持つ職種なので、離職率は非常に高いです。

そして驚くことに、就職1年以内に職場を変わる人が半数近くに及びます。



理想と現実のギャップ、目先のことにとらわれ先を見据えることができず、しかし歯科医師の新卒に比べれば遥かに恵まれた労働条件、売り手市場であるが故、職場をいくら変わっても履歴書上の汚点にならない現状、、、



そんなわけで、これは衛生士さん達自身のモチベーションにも影響を及ぼしています。



日本の全ての衛生士さんの中で、医療というものを真剣に考え、患者さんのことを思い、自身の仕事に真剣に取り組んでいる人の割合は、おそらく約半数でしょう。

つまり、全衛生士のうちの半分は、大してやる気もなく、小遣い稼ぎのような感じで、漫然と日常業務をこなしているだけと言われても仕方のない人達でしょう。

残りの半分のやる気のある衛生士さん達も、その多くは、変なプライドや非現実的な思い込みのために、そのやる気が空回りしてしていたり、やる気があっても職場がそれに応えてくれなかったりで、本当に充実したやりがいある仕事として毎日を送っているのは一部の衛生士さんだけでしょう。



、、、歯科業界って、このような構造的な問題が本当に多いです。

今の衛生士さんの優遇された立場って、健康保険制度が作り上げた「砂上の楼閣」的な要素が大きいので、今後どうなってしまうんでしょうかね。



歯科医師側も経営が苦しいがために、目先の診療報酬が高くなるから衛生士を雇っているという風になりがちで、衛生士さんを本当のパートナーという意味で使いこなせていない場合が多いですものね。



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