FC2ブログ
incho.gif
 院長:茂木信道の診療室へお越しの方はコチラからど~ぞ
 2005年3月以前の旧院長室はコチラからどうぞ
吉と出るか凶と出るか
2008年04月13日 (日) 14:04 | 編集
刑事弁護のエキスパートとして知られる、ある弁護士のインタビュー記事を読んだ。

質問者は新人弁護士である。
質問は「明らかに不合理で不可解な弁解をする被告(容疑者)の弁護はどうしたらいいんですか」というもの。

実際に、不合理で不可解な弁解は多いらしい。
特に覚せい剤事件などでは、陽性反応が出ているのに、「寝ている間に誰かに打たれたんだと思う」「見知らぬ人に通りすがりに打たれた」等々、、、果ては「警察官に無理やり打たれた」まで。

こういう主張をする被告をどう弁護するか?
新人が大ベテランに聞きたくなるのも無理はない、、、、

しかし、回答は実に辛辣なものだった。

「自分は被告の弁解を不合理だと思ったことはない。そういうことを思うのは、被告に対して真剣に向き合ってないからだ。突飛な弁解にも、常にいくばくかの真実がある。疑問点があったら被告に徹底的に尋ねて解消しろ。自分は常に疑問点をすべて解消してから臨むので、そういうことを思ったことはない」

これがプロの考え方かと、驚きを禁じ得なかった。


自省も込めて再考してみた。

近年、突飛な要求をする患者は少なくないが、、、
歯科医師である自分はプロとして、全ての患者の訴えに真剣に向き合っているだろうか。

、、、。

どうやら自分はプロとしてまだまだ未熟なようだ。



話は少し変わって、、、

昨今の刑事裁判の報道を見ていると、殺人罪に問われた者の「人を殺した時」の精神状態について、「正しい判断が出来るような精神状態でなかったから責任能力はない」といったような司法判断が多いような気がする。

要するに、「当時は正気じゃなかったんだから許しましょう」という判断だが、、、
そもそも人を殺す事自体が正気の沙汰ではないわけで、一般的な感覚からは随分と距離があると言わざるを得ない。

実際、このような事を根拠に減刑されることに疑問を呈する声は多い。

被害者の遺族の心中を察すると、国民世論としては自然な流れだ。



そんな中、来年から裁判員制度が始まる。

一般国民の中から裁判員が選ばれる事によって、一般的感覚が「良い意味で」法廷に持ち込まれる事を期待する空気がある事は確かだ。



しかし、えん罪についてはどうか?



映画「それでもボクはやってない」で、無実の人間が有罪になる過程を見て、フィクションとはいえ、改めて背筋が寒くなった。

自分は中学3年の時に凶器準備集合罪で補導され、当時の先生方に多大なる迷惑をかけてしまった経験を持つのだが、実際には凶器は準備していなかった。
しかし相手の中に木刀を持っていた者がいたという事態を重く見た(であろう)警察は補導した集団全員をひとくくりに「凶器準備」ということにしたのだと思う。

今思えば、警察で書かされた上申書や調書やらは、一字一句全てが警察の言われるがままだった。
もちろん、当時、少年だった自分に理路整然としたお役所文書が自発的に書けるはずもなく、「不可解・不合理」な文章を書かれては困る警察の都合が大いにあったと推測出来る。



裁判員制度では、国民が場合によっては被告人を死刑にすることになる。
無実の人が有罪になるということが、どれほどのインパクトなのか、、、多くの人に映像で見てもらいたいと思う。

所詮映画と馬鹿にする事なく、是非。



w08413a031.jpg




関連記事
スポンサーサイト



コメント
この記事へのコメント
お母様に治療頂いた思い出があるとはいえ、先生と直接ご面識を持たない中での度々の書き込み、お許し下さい。
?お詫びがございます…。以前、CLAPの意味を解さぬまま何気なく画面のボタンを押し、直後にそれが拍手ボタンであると知りました。その日、先生はお疲れのご様子で種々コメントを書かれていた状況、拍手にそぐわぬ内容であり大変申し訳ございませんでした。
?今回の日記について…。先生は患者さんとの直接面談以外にも、例えばこのブログを通じて患者の悩みや質問に誠意を持って答えておられますが、それもプロ意識あればこそ、と思料します。
以上、長文で失礼しましたm(_ _)m
2008/04/14(月) 22:53 | URL | ぴんぽん #-[編集]
いえいえ、御丁寧な文章ありがとうございます。
ぴんぽんさんのような方々に支えられております。
今後とも当ブログとHPをよろしくお願いいたします。
2008/04/15(火) 09:29 | URL | mogi #Qi8cNrCA[編集]
コメントを投稿する
URL :
コメント :
パスワード :
秘密 : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
Powered by . / Template by sukechan.