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戦争責任
2005年08月20日 (土) 09:30 | 編集
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 戦後六十年、夏。未だ日本人は先の戦争の結論を下せず、迷い続けている。
首相の靖国参拝について、「こうである」と明言出来る日本人が果たして何人いるか。
私自身、明確な答えなどとても見つけ出せない。
戦争責任ということ。
靖国に合祀されているA級戦犯と呼ばれる数人に全ての責任を押し付けて、本当に日本人は先に進めるのだろか。
帝国主義、植民地主義が”善”とされた時代の戦争である。
その時代に生きていなければ解らない”必然″があったはずだ。
”正義″だったものが、時代が変われば”悪″となる。
戦争の責任は、戦争に参加した全ての未熟だった人類にあるのではないか。
 終戦後日本に上陸したマッカーサーは「日本国民には責任がない。一部軍閥が指導したのだ。日本人は立派だった」と語った。
この言葉によって、どれ程の庶民が救われただろう。
これは日本を民主化する為に絶対に必要な言葉だった。
その後東京裁判によってA級戦犯が裁かれ、庶民は戦争責任から解放される。
”一億玉砕”を唱えた同じ上層部が発した”一億総懺悔”という言葉に、日本人の大半が反発を覚えたのも当然だと思う。
しかしその反発の中に、当時の庶民が置いてきてはいけない”何か″を置き去りにしてしまったのではないかと私は思う。
戦争に反対出来なかった親達の子である我々が、この平和に守られた現代に生きる立場から、その時代の親達の態度を責めることなど出来ない。
我々自身、未だに戦争を起こす”未熟な人類″であることに変わりはないのだから。
しかし、だからこそ我々は、終戦後日本人が置いてき”何か″を親達に代わって背負い直す義務があるのではないか。
 随筆家・岡部伊都子著”生きるこだま”の中に”加害の女から″という章がある。
この中で岡部さんは自分の戦争体験について語っている。
戦時中青春時代を過ごした岡部さんは戦時下で婚約する。
出兵前夜、婚約者の青年は、せっぱ詰まった思いで、岡部さんにこう言う。
『自分はこの戦争は間違ってると思う。この間違った戦争のためになんか死ぬのは嫌だ。君のためになら喜んで死ぬけれども』と。
軍国主義の社会の中、初めて聞くハッキリとした戦争否定の言葉に岡部さんは戸惑い、怖かったという。
そして青年にこう告げる。『私なら喜んで死ぬけれども』と。
青年は黙って岡部さんを抱きしめるだけだったという。
その後青年は沖縄の首里戦で負傷し自決する。
戦後岡部さんは、自分の発言を悔やみ、恥じ続ける。
自分は『あんなにも戦争を間違ってると言った人を殺してしまった、加害の女だ』と。
『その美しい魂と、深い憂慮とを、婚約した娘が踏みにじったのだ』と言う。
その時の”戦死当然”という態度と”生否定″を今でも恥じ続けている。
どうしてあの時青年に「生きて」と言ってやれなかったのか。
青年が嫌だと明言した戦地に、喜んで死んでこいと送り出した自分に戦争責任がある。
自分は戦争の加害者だと言う。
岡部さんは今でもあのまっすぐな人を『お前はどう殺したか』と、自分に問い続けていると言う。
 戦後マッカーサーと東京裁判にょって許された”何か″を岡部さんは背負い続けている。
当時の庶民も、現代に生きる我々も岡部さんが背負っている”何か″をハッキリと見つめなおす義務がある。
 イラク戦争に反対も出来ず、戦地に若者を送り出している我々は、いずれ、岡部さんが背負っているのと同じものを背負わなければならなくなるのではないだろうか。


以上、太田光(爆笑問題)のコラムより。

よくTVで右寄りの論客が「戦勝国憎し」という思いを持って言うところの戦争責任論とは見地が大きく異なるところが興味深い。

たしかに、A級戦犯にだけ戦争責任を押し付けてよいのか?、という考えについては共感できるものがある。
「A級、B級、、、」は「罪の重さの分類」でないことも知っている。
そもそも戦勝国主催?の東京裁判そのものを不当とする声もある。

戦争を起こした指導者達は「勝てば英雄」になり、負ければ戦勝国によって「戦犯」として処刑されるわけだ。
当時の情勢などから「開戦は止むに止まれぬ選択」だった、、、などという話があるのも分かる。
しかしやはり指導者たるもの、戦争をする以上は負けた時の大いなるリスクを覚悟していて欲しい、、、。
「勝てば英雄」で「負けても特に処分なし」、、、では誰でも気軽に戦争始めちゃうよ。


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