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なんせ初めてのことなもんで
2011年11月12日 (土) 22:36 | 編集
 
先週末の日本障害者歯科学会に参加して1週間が経とうとしております。

歯医者になって、最初の11年間は大学での歯周病の医局員生活でした。
その後は今日までの10年間の開業医生活、これも歯周病治療を基軸にしてまいりました。
その間、インプラントを導入したりもしましたが、これも位置づけとしては、ひとつの強力なオプションが増えたというだけのことでして、基本的には他の分野に進出したというのとは異なります。

開業10年を機に、ここはひとつ新たな分野に足を踏み入れてみようかと(それっぽく言わせていただければ、地域医療に微力ながら貢献してみようかと)、4月から身障者歯科診療所の医局員になったわけですが、なにせ今までの21年間が完全に畑違いのところを歩いておりましたので、見るもの聞くもの全てが新鮮で、それ故、戸惑いも多く、何かにつけてキョロキョロしておるというわけです。要するに新米医局員そのものなわけです。

そんなわけで、学会参加の報告も「飲み食い系」ばかりで、真面目な報告をしておりませんでしたが、上記のように慣れぬ新分野ゆえ、なかなかまとめることが出来なかったのです。
遅ればせながら、本日の御報告となります。

さて、このたびの学会参加は、参加費をはじめ交通費、宿泊費のすべてを援助していただいており、飲食費と福岡に前乗りした分の宿泊費以外は自己負担ゼロなのです。(自宅から羽田空港までの交通費とか、現地での交通費など、少しは負担いたしますが。)
もちろん市からの援助には税金が使われているわけで、少しでも実り多き学会参加にしなければならないことは言うまでもありません。

予想通り、聴講した講演の多くが「今まで耳にしてはいたものの、実のところ、よく知らなかった」という類いのものでした。
中でも「うつ病」に関する特別講演は、個人的に興味深いものでした。

わが国における自殺者の数は、平成10年に急増して以来、年間3万人を裕に超える水準を維持しています。自殺者の多くが、うつ病にかかっているという報告もあり、うつ病の持つ重要性は、近年特にクローズアップされています。
疾患の重要度をランク付けすると、10年後の2020年には、うつ病は第1位の虚血性心疾患に次ぐ疾患になるだろうと予想されています。

特に問題となるのは「DSM」といわれる「大うつ病」です。
DSMには「抑うつ気分」「興味や喜びの喪失」「後悔の念が強い」などの基本症状に加えて、「身体化障害(略して身体化とも言う)」が出ることが特徴とのことでした。
歯科業界でも今まで、原因不明の痛みなどを「不定愁訴」で片付けられていたものが、実はうつ病の身体化障害であったという事例は非常に多いだろうということでした。
身体疾患を抱える患者さんは、うつ病の併存率が高いことが明らかになっています。
「身体症状のウラに精神疾患あり」ということは、精神病態医学分野では基本認識とのことでした。

さて、特に障害者歯科で重要になってくるものに、今回の学会テーマにもなっている「医療と福祉のコラボレーション」というものがあります。
現在の「医療の提供」が、施設や事業所内で完結していることの限界を見極め、施設外の事業者や関係機関との連携に踏み出すことが重要とのことなのです。
「完結型支援」から「連携支援」へ、ということですね。
そして施設外の様々な関係機関と連携して支援するためには、各々が対等な立場で協働してゆく「多分野協働」が重要ですが、多分野協働には、その基盤となる高い専門性が必要となります。
これは障害者歯科に限らないことでもあります。

今回の学会参加で感じたことは、参加者が非常に多く、そして多分野に渡っているということでした。
思えば、健常者の歯周病治療患者さん1人に携わる必要人数と比べて、身障者の患者さん1人のそれは、遥かに多いわけですから当然といえば当然です。医療関係者だけでなく、行政関係者なども係ってくるわけですものね。

そして最後に、あくまでも個人的感想なのですが、この学会で話を色々聴いていると「採算度外視が当たり前」という空気が普通に漂っていることが印象的でした。
障害者歯科業界にコスト意識を持ち込むことなど御法度なのかもしれませんが、今まで他の畑を歩んで来た者には印象的に映ったのでした。


でもまぁ、美味しいものもたくさん食べることが出来たし、楽しい学会参加でありました。
会場では久々に会う人達も多くて「あれ?何故ここにいるの?」と何度訊かれたことか(笑)



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