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脱線したJR西日本から学ぶ
2005年05月08日 (日) 09:24 | 編集
JR.jpg
4月25日に発生したJR宝塚線(福知山線)の脱線事故。
事故発生の土壌(下地?)としてJR西日本の企業体質が何かと槍玉にあがっている今日この頃ですが、、、
1分半の遅れを取り戻そうとして速度超過になった可能性が高い、、、という今回のケースを踏まえて、TVのワイドショーやニュース番組のコメンテーター達は、「少しくらい遅れてもいいんだ」という職場の雰囲気があって良かったんではないか?、、、ということを言ったりしてますよね。
この時、小生は「コメンテーターって本当にお気楽な商売だな~」って思う瞬間なんですよね。

極端に「遅延厳禁!罰則強化!!」という姿勢の職場であるなら、たしかに今回の事故の布石があった可能性はあります。
しかしですね、逆に「いいのいいの遅れたって。別に気にしなくていいから」っていう弛んだ雰囲気の職場だったら、今回とは別の原因の事故が大頻発していますって。

医療も全く上記と同様です。
医療には「当初の予定通りにいかない」といった小さなトラブルは日常茶飯事です。
逆に「100%予定通り」などというケースの方が極めて稀なのです。
その小さなトラブルを大きなトラブルにならないように未然にフォローしながら、最終的には当初の目標のなるべく近いところにまとめあげるのが、ドクターのウデでもあります。
上手なドクターの基準のひとつには、小さなトラブルをより早く見抜く事が出来、しかもそのフォローがより適切な人、というのがあるのではないかと思います。

医療においても、小さなトラブルを見つけるのが遅れたり、フォローが適切じゃなかったりしたドクターに対し、いたずらに罰則を強化したり、上司が罵詈雑言を浴びせたりすることは、たしかに大きな医療ミスを引き起こす土壌となり得るでしょう。
では反対に「いいのいいの、そんなの気にしなくて」という弛んだ雰囲気の医療現場の方が良い、、、わけはないですよね。医療ミスの温床となること間違いなしです。
患者さんだったらどうですか?。究極の選択なら多くの人は「いいのいいの」よりは「罰則強化」の医療機関を選ぶような気がするけど、、、。

職場に一定の厳しさは絶対必要。極端すぎるのはダメだけど、、、これが結論ですかねぇ。

そして、財政面、、、
TVなどではJRの利益第一主義が今回の事故を招いた、、、などと報じられていますが、実際はちょっと違うのではないかと思います。
JRの利益追求のスタイルは、いわゆる一般企業で批判されるところの俗に言う「カネ儲け主義」とは違って、「切迫した利益追求」だったと思うのです。

JR本州3社は旧国鉄の巨額の債務をある程度引き継いでいる、もちろんチャラにしてもらっている債務もあるけど、だからこそ政府や国民の目も厳しい、よって自社で黒字を出す事が至上命題であった、、、。
東海道新幹線を擁するJR東海、膨大な首都圏の通勤輸送を擁するJR東日本、大きなドル箱を抱える両社と比較してJR西日本は基盤が脆かった、、、。
しかも関西圏は競合する私鉄との状況がが関東の比ではないほど厳しい、、、。
その結果、利潤を追求するがために、気がつけば安全面が二の次になっていた可能性があるのでは、、、。

医療に関しても同様だと思います。
現在の政府の方針は、患者さん1人あたりに「国が払う」医療費を少なくして行こう、というものです。
ではその減らされた分は患者さんから取ればよいのか、、、医院としてはそれはナカナカしづらいものです。
ではどうするか。
現在の保健医療制度では患者さんの数を診れば診るほど売上が上がります。
効率よく売上を上げるためには、1日になるべくたくさんの患者さんを診る必要が出てきます。
要するに時間的な余裕がなくなるわけです。
何台もの診療台を1人のドクターが飛び回るという光景には、そのような理由があるのです。

国民医療費削減が声高に叫ばれている昨今ですが、医療に携わる者にはある程度の経済的な余裕が必要だと思うのです。
誤解のないように言っておきますが、何も大金持ちにさせろと言っているんじゃありません。もっと時間に余裕を持って患者さんの診療にあたりたいのです。
経済的余裕は時間的余裕を生み出します。
小生自身、もし、経営、採算ということを考えずに診療に没頭出来れば、どれほど精神的に楽かわかりません。
「経済的に余裕があれば今よりもっと良質な医療を提供出来るのに、、、」と考えている同業者の方は数多くいらっしゃるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。

歯医者同士を競争させて、患者さんの争奪戦に勝ち抜くため医療サービスを向上させる、、、その発想は正しいと思いますし、実際に成果となって現れていると思います。
しかし、必要以上の競争の激化は医院の経済的余裕を削ぎ落とします。

経済的余裕は時間的余裕を生む、、、それはJR西日本になかったもの。

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コメント
この記事へのコメント
まさに、その通りだと思います。
昔、僕は俳優を志し、劇団に7年くらい所属していました。当然、上演中のミス(せりふを忘れる、音響が入らない、照明がずれるなど)は色々ありました。頭の固い先輩たちは「ミスは稽古が足りないからだ」なんてことをおっしゃるのですが、先輩後輩関係なく、上手な役者さんは、相手のミスを責めることもないまま、公演を続けることが出来るのです。
僕は、ミスは絶対に防げない、と思っています。ミスから学ぶ、転んでもただでは起きないといった考え方が重要なんだろうなと思います。
茂木先生がおっしゃるように「経済的余裕は時間的余裕を生む」という考え方は正解でしょう。未だかつて、僕は人に雇われていて「経済的」にも「時間的」にも余裕というものを味わったことがありません。けど、小さいラーメン屋をはじめてからは、「心の余裕」を手に入れました。先ず、命令されない。時間は自分で決められる。いちばん大きいのは、自分の客に「自分のラーメン」を売っている。
パートさん2名の小さな所帯と比べてはいけないんでしょうけれど、大きな団体や企業で働いている人って、その仕事の全体像がつかめなくなってしまうんじゃないでしょうかね・・。JR事故に限らず、例えば三菱自動車とか雪印も、あとからあとからいろいろでてくるじゃないですか。それでも潰れることなく健在?ですよね。こっちの方が大問題なような気が、僕はするんですけれど・・。
以上、たかがラーメン屋の心に思うことでありました。
追伸:僕は医者ではないけれど、茂木先生の食生活が間違っていることはよく判ります・・。
2005/05/09(月) 22:02 | URL | 若松孝明 #79D/WHSg[編集]
書き込みありがとうございます。
僕は歯医者ですが、僕の食生活が間違っている事はよく解ります、、、って、、、ホントに解っているんですけどね~。
バカは死ななきゃ治らない、、、っていいトコついているかも。
2005/05/10(火) 09:39 | URL | 茂木です #79D/WHSg[編集]
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