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新型コロナウイルス ウォッチング(26日までのまとめ)
2020年01月26日 (日) 22:20 | 編集
 
中国共産党機関紙の人民日報によると、本日、26日夜までに新型コロナウイルスによる肺炎の発症者は中国本土で2057人、うち死者は56人になりました。
国営新華社通信によると、中国共産党は新型肺炎の対応を協議する会議を開いて、中国全土の学校などに対して、本来1月30日で終了する春節の休暇を延長するように促しました。
人の移動を減らして、感染拡大を遅らせるのが狙いのようです。

それにしても、ここにきて中国当局による初動のまずさが明らかになってきました。
そもそも、武漢で初めて原因不明の肺炎発症が報告されたのは昨年12月8日で、その後、12月30日にインターネット上に関連の内部文書が流出し、12月31日に市当局が27人の肺炎発症を公表するまで伏せられたままでした。

その後も、武漢市当局が発表する感染者数は低く抑えられていたものと思われますが、今月20日に習国家主席が「迅速な情報発表」を指示して以降、状況が一変します。
公表された発症者数は3日間で約10倍に激増しました。
21日には医療関係者への感染も発表されました。
ようやく「隠蔽」から一歩前進したわけですが、感染を抑え込むためには遅きに失したのは明らかです。

武漢市当局は今月23日から、感染拡大を防ぐため、武漢の空港や鉄道駅を出発して市外に向かう航空便と列車の運行を休止し、バスや地下鉄など市内の公共交通機関も運行を取りやめました。
春節に合わせた大型連休が24日から始まるのを前に、武漢市民約1100万人の移動を制限する異例の措置に踏み切ったわけです。
このあたりは「さすが一党独裁国家」で、まさに面目躍如というほどの強硬施策ですが、実施時期が明らかに遅かった。。。

武漢は、中国の鉄道網がほぼ集約されている交通の要衝で、東西南北へ延びる「十字架」の真ん中に位置しています。
今回の新型肺炎も交通網を通じて、すでに中国全土に飛び火している可能性が高いです。

さらに今月25日には、中国政府は中国国内の旅行会社に対して、すべての団体旅行(パッケージツアーを含む)を中止するよう命じました。
中国国内の団体旅行は既に24日から中止しており、日本を含めた海外への団体旅行も明日の27日から中止になります。
要するに、明日以降、日本に到着する中国人旅行客は「航空券と宿泊を個別に予約した人だけ」となり、ビジネスで来日するか、観光目的だとしても一部の旅慣れた人に限られることになりそうです。

ようやくここに来て、実効性のありそうな施策が打たれるようになりましたが、「時すでに遅し」の感は否めません。
しかし、ならば「今さら無駄」なのかというと、そんなことはないでしょう。
パンデミック対策の基本は、「流行のピークを遅らせること」と「流行のピークを低くすること」です。
すでにウイルスは日本国内に入ってしまっていますが、今後も持続的に入り続ける「ダダ漏れ」ならぬ「ダダ流入」は回避することができます。


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(図は関西福祉大学 勝田吉彰研究室のHPより)


流行のピークを遅らせることは非常に重要で、例えばインフルエンザウイルスは、パンデミック後には致死率が下がる=弱毒化することが知られています。
感染して発症した人(宿主)が死んでしまっては、もう次の人に感染(うつ)せないことを、ウイルス自らが学習するかのような不思議な現象ですが、自然界というのはこういった摩訶不思議なことが多々起こるわけで、そういう意味でも「流行のピークをなるべく遅らせる」ことは大切だと思うものです。
しかしながら、日本政府はそのような施策を全く行う気配すらなく、完全に中国共産党頼みになっているのが、非常にもどかしいところです。

思い起こせば、2009年、当時はメキシコ発の新型「豚インフルエンザ」だったわけですが、あの時はゴールデンウィーク直撃でした。
当初、弱毒型なのか強毒型なのかが判らなかったので、当院でも『日本国内で新型インフルエンザ感染症例が確認された場合、急いで治療をする必要のある患者さん以外は予約を延期されることをお勧めいたします。』とアナウンスしておりました。

2009年の5月1日には、国内で新型インフルエンザの疑い症例がでたということで、スタッフの皆には公共交通機関を使わずに通勤してもらいました。診療室ではN95マスクを初めて使用しました。
しかし、翌2日にはアメリカCDCから弱毒型である旨の発表があったのを受けて、通常の季節性インフルエンザと同等の対応といたしました。結果的に当院としての厳戒態勢は1日だけで済んだわけです。

2009年の新型インフル騒ぎで判ったことは以下のようなことです。

ひとつは「WHOってお役所的なんだ」ということ。要するに確認のとれた情報だけを慎重に発表するもんで、情報の発信が意外と遅かったんですね。
日本の厚労省の見解はWHOからの情報を基に発表されるので、さらに遅れるということです。
そこへゆくと、アメリカのCDC(疾病予防管理センター)からの情報は迅速かつ的確で、本当にお見事でした。

結局、頼りになったのはアメリカからの情報でした。当時のオバマ大統領だけでなく、関係各機関が皆「世界のリーダー」だという自覚のもとに仕事をしている、、、クヤシいけど、これは本当にすごいことだと思いました。
もっとも、前回は「メキシコ発」だったので、アメリカが頼りになりましたが、今回は「チャイナ発」ですから、、、どうなるのでしょう。
(ちなみにCDCは、今月21日には、すでに武漢への渡航警戒レベルを上から2番目に引き上げています。)

そして2009年当時の日本は、やはり「平和ボケ」でした。
当時の厚生労働大臣は、あの舛添要一氏で、まだ国民からの人気があった頃です。
頼りの国立感染症研究所は、完全に後手後手でした。ホームページの更新は「完全に2日遅れ」の状態を維持し続け、Yahoo! Japan のニュース速報の方が遥かに優秀でした。
報道機関では、NHKだけがマトモでした。当時の民放系は悲しいほどに・・・でした。



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